乳がん

乳がんの病期(ステージ)ごとの10年間の生存率をグラフで紹介!

女医の画像

実は乳がんは「女性が最もかかりやすいがん第1位」であることをご存知ですか?

男性では一番なりやすい癌は胃がんなんですが、女性では胃がんが2番目で乳がんの方が上回っているんですね。

しかも2009年に行われたがんの統計によると日本人女性の18人に1人は乳がんになっているとされ、その数は年々増加傾向にあるそうです。

一昔前はそれほど耳にする事が無かった乳がんですが、ここ最近ではかなり身近な病気になってきているようです。

やはり「がん」と聞くと病気の中でも治りにくく、また再発もあり死のリスクが大きい病であるイメージがありますが、乳がんの生存率ってどのくらいなんでしょうか?

また治療後の病状経過である「予後」も非常に気になりますよね?

どの病気においても言えることですが、早期発見が病状完治率に大きく影響します。

乳がんには進行度合いによって病期というステージがあり、がんの状態や転移の進行具合で分けられ、Tis期、そして0期から4期まであり数字が大きくなればなるほど病気の進行度が増します。

もちろんその病期(ステージ)によって生存率も大きく異なってきます。

今回はその病期(ステージ)ごとの気になる生存率のデータを調べてみたので紹介します。

乳がんの10年間の生存率

日本乳癌学会「全国乳がん患者登録調査報告第29号」によると、病期(ステージ)ごとの10年生存率は以下のようになっています。

ちなみに、Tis期からI期までの状態を早期と言います。

乳がんの10年生存率グラフ

※生存率は手術後に患者さんが生きている数字ですので、この10年間に再発しているケースも含まれています。

  • Tis期(非浸潤がん):94.72%
  • ステージ0期(しこり無し):95.45%
  • ステージ1期(しこりの大きさが2cm以下):89.10%
  • ステージ2期(2cmを超え5cm以下のしこりがある):78.60%
  • ステージ3a期(しこりが5cmを超えるもの):58.74%
  • ステージ3b期(しこりが皮膚に顔を出したり皮膚がむくんでいるような状態):52.04%
  • ステージ4期(他の臓器に転移が見られる状態):25.49%

この折れ線グラフと数字を見てもらえれば一目瞭然ですが、当然初期症状であればあるほど生存率は高くなっています。

早期発見であれば、約9割の方が治癒した状態になっています。上記の生存率は10年ですが、5年間の生存率だともう少しパーセンテージは高くなります。

このようにいかに早く乳がんを発見することが大切かお分かり頂けたと思います。

若い女性も乳がんになる人が増えている?

乳がんは年代でいうと30代くらいから増え始め50代がピークでありましたが、最近では年齢も低年齢化してきており若い女性でも発症しやすくなってきているようです。

35歳までに発症した乳がんを「若年性乳がん」と呼んでいるようですが、若い女性が発症しやすく、冒頭にも書いたように「女性が最もかかりやすいがん第1位」になったということは昔に比べて食事等が影響していると言われているようです。

一昔前に比べると食生活も大きく変化しており、若い女性でも発症しやすい環境になっているんですね。

早期発見の為にセルフチェックや定期検診に行きましょう

病院の受付のイラスト

乳がんは病期が初期であればある程生存率は高く、若い女性でも発症する可能性がある事を説明しました。

現在は万が一再発しても薬や放射線治療が効くため問題なく暮らしている方も多く、乳がんは他のがんに比べ治りやすいと言われています。

最近ではピンクリボン運動などよく耳にするようになってきた乳がんですが、それだけ身近な病気である事は間違いありません。

アメリカや韓国、イギリスなどは6割から8割の女性がマンモグラフィ検診を受けているそうですが、日本では約2割程度の女性しか検診を受けていないそうです。
外国に比べてそれだけ乳がんに対する意識も低いようですね。

年代に関係なく普段からセルフチェックや定期に検診を受けて早期発見に務め、少しでも気になったら乳腺外科を受診するようにしましょう。