今回はちょっと聞きなれないかもしれませんが、腸が痙攣を起こす、けいれん性便秘について紹介します。
実は便秘は症状や原因に応じていくつか種類があるのをご存知ですか?
それぞれに特徴や原因が異なるのですが、今回のけいれん性便秘はストレスが主な原因になります。
この世の中、仕事や育児、友達関係など、うっぷんが溜まることが多いですから、精神的に疲れを日々感じていて便秘だという方はもしかするとストレス性の”けいれん性便秘”かもしれませんよ!
ストレス社会で生きている以上誰にでも発症し得るので、一体どんな症状なのか、解消法そしてけいれん性便秘の方がやってはいけない注意点を是非チェックして下さいね!
目次
けいれん性便秘の症状と原因
便秘の症状としてどんなイメージを持っていますか?
- お通じが悪くトイレに行ってもなかなか便が出ない
- 何日も排便できないのでお腹がぷっくり張っている
- 硬いウンチが出る
こんな感じでしょうかね?
でもけいれん性便秘の場合少し症状が異なります。では一体どのようなものなんでしょうか?
便秘だけでなく下痢もするのが特徴
まずどのようなメカニズムになっているかというと、食べたものを直腸まで移動させ肛門から排出する、ぜん動運動が通常よりも活発になりすぎて、上のイラストのように大腸が伸縮してけいれんしたような状態になるんですね。
例えば笑いすぎるとほっぺたもピクピク痙攣しますよね。過剰に動きすぎるとそのような状態になるイメージです。
それで便が通るところが細くなり、肛門とは逆の方向に戻ってしまいます。
ウンチが逆流しちゃうんですね!
すると古い便(宿便)が長い間残ったままになったり、コロコロしたウンチや細いウンチが出ます。
またそれが原因で腹痛を伴う事もあります。
特徴をまとめると以下のようなものがあります。
- トイレで排便しても残便感が残る
- ウサギの糞のようなコロコロしたウンチが出る
- または細いウンチが出る
- 便意はある宿便が大腸に溜まったままになり、お腹が張り腹痛が起こる
- 便秘と下痢を繰り返す
最後の症状は便秘なのに真逆の下痢?と思ってしまいますが、この
下痢の症状がけいれん性便秘の特徴でもあります。
なぜかというと、ぜんどう運動が活発すぎるため便の水分が吸収される前に排出されるからなんです。
便が水分を多く含んだままということは、柔らかいので下痢として排出されるんですね。
ではなぜそのようなことが起こるのか原因を詳しく見ていきましょう。
ストレスによる自律神経の乱れが主な原因
一番の原因はストレスによる自律神経の乱れです。
そこが大きく関係しているわけですが、まず自律神経には交感神経と副交感神経の二種類があります。
交感神経というのはストレスを感じている時に作用して働きが活発になり、一方の副交感神経はリラックスしている時に働くという特徴があります。
副交感神経は胃や腸の働きをコントロールしており、その働きが低下してくると便を押し出すぜんどう運動に影響してけいれん性便秘を誘発します。
また年齢的なものも関係しており、40歳を過ぎた女性は特に副交感神経の働きが急激に低下してぜんどう運動の働きが活発になります。
それと普段の生活習慣も影響しており、食生活の乱れや睡眠不足も原因の引き金となります。
ストレスは胃がキリキリしたり、腸が痙攣したりその他内臓系など、怪我のように目に見えない体内でいろいろな不調をきたします。
それが便秘にも影響しているので怖いですよね。
ではどのようにすれば解消できるのでしょうか?
けいれん性便秘の解消方法
けいれん性便秘の主な原因はストレスによるものです。
また、食事も便秘にはたいへん重要なのでしっかり対策しましょうね。
ストレスを溜めずに発散する
原因がストレスによる自律神経の乱れですから、治療方法といえばやはりそこを解消してあげれば良いわけです。
気持ちがリラックスすれば副交感神経が優位に働き、胃腸の調子が良くなります。
逆に気持ちが不安定だったりイライラしていると、腸も頑張りすぎてぜんどう運動が激しくなりますので気をつけて下さいね。
とは言っても簡単にストレス解消できれば問題ないですよね。仕事や友人達との付き合いなど様々な事でイライラやうっぷんが溜まりやすい世の中だと思います。
また入学や卒業、進学、就職時期の3月、4月は環境の変化が起こりやすいので、この時期は特に注意が必要です。
例えば上京して炊事や洗濯など自炊しないといけないストレスなどもあると思います。
その中で自分の好きな趣味に時間を作ったり、カラオケに行ったり適度な運動したり、ゆっくりお風呂や温泉につかるなどしてうまくストレスを発散していきたいものです。
私のストレス解消法は溜まった愚痴を聞いてもうことです。うっぷんは溜めておかずに吐き出すことが大切です。
友人や夫婦同士で愚痴を聞いてもらいましょう。
聞いてる方は大変だと思いますが、お互いに話し合える関係があれば一番良いですね。
あと睡眠時間も十分に確保しましょう。寝る前にテレビやパソコン、スマホを見るのをやめて、軽いストレッチをして布団に入るといいでしょう。
軽く運動すると寝つきも良くなりますよ。
仕事などでなかなか十分な睡眠時間が確保出来なかったり、起床や寝る時間もバラバラかもしれませんが、なるべく早寝早起きを心がけたいですね。
特に朝はきちんと起きて朝日を浴びると体に良いと言われています。
原因の一つが精神的なものですから、そう簡単には解消されないかもしれませんが、自分なりに工夫してリラックスする時間と気持ちに余裕を持ちたいですね。
水溶性食物繊維をバランス良く食べる
食生活に関しては、ファストフードやジャンクフードばかりや偏った食事はなるべく控えて、水溶性食物繊維を含む食品をバランスよく摂取すると良いでしょう。
これらの食品は水に溶けやすく、腸への刺激が少なくてスムーズに便を排出してくれる効果があります。
水に溶けやすい水溶性食物繊維を多く含む食品は、
- わかめ、昆布などの海草類
- りんごなど果物類
- にんにく
- 納豆
- オクラ
などネバネバしたものや海草類、果物類が多いです。
納豆やワカメは味噌汁に入れたり朝食のレシピに加えやすいと思います。
またにんにくには腸内環境を整える効果があるので、普段の食事にこれらの食材をうまく取り入れて摂取しましょう。
後で書きますが、逆に水に溶けにくい不溶性食物繊維を摂取しすぎると逆効果になるため注意が必要です。
適度に有酸素運動をする
適度な運動は便秘解消に効果があると言われています。
特に有酸素運動は自律神経の安定にも効果があり、ウォーキングや軽いジョギング、自転車をこいだり、水泳などが良いですね。
息が上がって心拍数も上がると無酸素運動になってしまいますので、きつくならない程度で時間をゆっくりかけて心拍数を一定に保って運動します。
また腹筋を鍛える事も効果的ですので、腰を痛めないように気をつけて腹筋運動しましょう。
しっかり準備体操して過度な運動は避けて体調が悪いと感じたり、きつい時は中断して無理をしないように続けて下さいね。
リラックス効果のあるツボを押す
前腕にある内関(ないかん)というツボなんですが、このツボはストレス解消や食欲不振に効果があると言われています。
この内関(ないかん)の場所は、手首の付け根付近から肘の方へ指三本分のところにあります。反対の手の親指で5秒程優しく押し続けて徐々に力を緩めましょう。
いつでもどこでも簡単に出来ますので、テレビを見ながらや電車での通勤中、仕事の合間にでもやってみて下さいね!
悪化するのでやってはいけない注意事項
けいれん性便秘の方は、ぜんどう運動が活発になり腸が痙攣していることが原因です。
そのため腸を刺激してぜんどう運動を促進するこうなことは控えなければなりません。
でないと便秘や下痢が悪化するため大変です。
不溶性食物繊維の過剰摂取
先ほど水溶性食物繊維をうまく摂取しましょうと書きましたが、逆に水に溶けにくい不溶性食物繊維を摂取しすぎると、ぜんどう運動が激しくなり下痢や便が硬くコロコロになってしまいます。
不溶性食物繊維を含む食品は
- 大豆、いんげん豆などの豆類
- とうもろこし、大麦などの穀類
- さつまいも、ごぼう
- エビ、カニ
などに含まれています。
便秘に効果の高いごぼうは水溶性、不溶性食物繊維の両方を豊富に含んでいますので、摂りすぎには注意が必要です。
これらの食材をまったく食べないというのも無理でしょうから、過剰な摂取には気をつけましょう。
便秘薬や下剤には気をつける
一般的に使用されている物には、
刺激性、膨張性、塩類などがありますが、ぜんどう運動を亢進させる刺激性下剤は使用するとかえって逆効果になりますので注意が必要です。
腸を活発にするサプリメントや便秘薬、下剤などを使用する際は専門家に相談して下さい!
腸のマッサージや便秘体操は逆効果
こちらも同じ理由ですね。
腸のぜんどう運動を促進するようなマッサージや体操は刺激になるため、けいれん性便秘の方は控えた方が良いでしょう。
腸を刺激するこちらなどもやめておいたほうが良いでしょう!
まとめ
まず便秘の方は下痢をしていないか、便がコロコロだったり細くないか上記の症状に当てはまっていないか確認してみて下さい。
該当する項目がある、ストレスも多い方はけいれん性便秘の可能性があります。
解消法と注意点としては、
- ストレスを溜めすぎないようにうまく発散して規則正しい生活を送る
- 水溶性食物繊維をうまく食事に取り入れる
- 不溶性食物繊維を含む食品の過剰摂取には気をつける
- 下剤、漢方などの薬はきちんと専門家に相談して使用する
- 腸を刺激する運動やマッサージは控える
便秘の種類によっては効果のあるものが、けいれん性便秘の場合は逆効果になることがあります。
まずしっかりと症状を確認して、それにあった対策を行って下さい。
それでもなかなか便秘が改善されないという方はきちんと医師に相談しましょう。